応募者スクリーニング
応募者のSNSスクリーニングは適切か|リスクと代替策を解説
書類だけでは判断材料が足りず、応募者のSNSや検索結果を確認したくなる場面は少なくありません。しかし、その方法には見極めの精度だけでなく、公平性やコンプライアンス上のリスクも潜んでいます。実施する際の留意点と代替策を整理します。
キャリアカでは、応募者の管理から入社後の定着までを一つの画面で扱う採用管理システムを提供しています。
なぜ採用担当者はSNSチェックをしたくなるのか
職務経歴書や面接だけでは、候補者の人柄や普段の振る舞いを十分に把握できないと感じる採用担当者は多いです。そこで手軽に情報を得る手段として、SNSや検索エンジンでの事前調査に頼りたくなるケースがあります。
特に中途採用では即戦力性に加えて組織への適応力も重視されるため、書類に表れない情報を求める気持ち自体は自然なものです。ただし、手軽さと正確性・公平性は別の問題として考える必要があります。
SNSスクリーニングに伴う主なリスク
個人のSNS投稿には、思想・信条・家族構成・健康状態など、選考に関係のない機微な情報が含まれることがあります。こうした情報を選考過程で知ってしまうこと自体が、公平な採否判断を難しくする要因になり得ます。
また、投稿内容が候補者本人のものか確認しづらい場合や、過去の投稿が現在の人物像を正確に反映していない場合もあります。限られた情報から印象だけで評価してしまうと、実態とズレた判断につながるおそれがあります。
加えて、本人の同意なく収集した情報を採否の根拠にすることは、職業安定法が定める個人情報の適正な取扱いの観点からも慎重な検討が必要です。社内で実施可否を判断する際は、法務部門や社労士など専門家に確認することをおすすめします。
- 思想・信条・プライバシーに関わる情報が混在しやすい
- 投稿の真偽や文脈を検証しにくい
- 評価者によって解釈のばらつきが生じやすい
- 本人同意のない情報収集はコンプライアンス上のリスクがある
実施する場合に最低限押さえておきたい運用ルール
どうしても実施する場合は、属人的な判断に頼らず、社内でルールを明文化しておくことが重要です。誰が・どの段階で・どのような目的で確認するのかを事前に定め、業務上必要な範囲に限定します。
確認した内容をそのまま評価シートに記載するのではなく、選考基準に関連する項目に絞って記録し、恣意的な解釈が入らないよう複数人でチェックする体制が望ましいです。
- 確認の目的・範囲・担当者を事前に文書化する
- 業務に関連しない個人情報は選考記録に残さない
- 評価者単独ではなく複数人で確認・判断する
- 本人への説明・同意取得の可否を事前に検討する
SNSチェックより有効な『裏づけ』の取り方
候補者の実際の働きぶりを知りたいのであれば、本人の同意を得たうえで、上司や同僚など業務上関わりのあった第三者から話を聞くリファレンスチェックの方が、目的に沿った情報が得られやすい方法です。
SNSの断片的な情報とは異なり、具体的な業務内容やチームでの振る舞いについて、業務経験に基づいた話を聞けるため、採否判断の材料として扱いやすくなります。
キャリアカのような、候補者本人の同意のもとで第三者評価を収集・可視化するサービスを活用すると、自己申告に偏りがちな情報を補完しながら、スクリーニング段階の判断材料を増やすことができます。
スクリーニング全体で公平性を担保する視点
情報源が増えるほど、評価者によって重視するポイントが異なりやすくなります。そのため、どの情報をどの基準で評価に反映するかをあらかじめ選考基準として言語化しておくことが大切です。
書類選考・適性検査・リファレンスチェックなど複数の情報源を組み合わせる場合も、それぞれの位置づけと重みを明確にしておくことで、評価のばらつきを抑えやすくなります。
この記事のまとめ
- SNSによるスクリーニングは手軽な反面、公平性やコンプライアンス上のリスクを伴う
- 実施する場合は目的・範囲・担当者を明文化し、複数人で確認する体制が望ましい
- 業務上の働きぶりを知りたい場合は、本人同意に基づくリファレンスチェックの方が目的に沿いやすい
- 複数の情報源を使う際は、評価基準と重みづけを事前に言語化しておくことが公平性の担保につながる
よくある質問
応募者のSNSを確認すること自体は違法ですか。
確認行為自体が一律に違法というわけではありませんが、業務上必要な範囲を超えた情報収集や、本人同意のない機微情報の取得は職業安定法等の観点から問題となり得ます。実施の可否は法務部門や専門家に相談のうえ判断することをおすすめします。
SNSチェックとリファレンスチェックはどちらが有効ですか。
目的によります。公開情報から雰囲気をつかみたい場合はSNSも参考になりますが、業務上の働きぶりを裏づけたい場合は、本人同意のもとで実施するリファレンスチェックの方が、目的に沿った具体的な情報を得やすい傾向があります。
スクリーニング段階で第三者評価を取り入れるタイミングはいつが適切ですか。
企業によって異なりますが、書類選考や一次面接の後、最終判断の前段階で取り入れるケースが一般的です。選考フローのどこに組み込むかは、工数と候補者体験のバランスを見ながら設計することが望まれます。